Javaでソフトウェアを開発している人にとって、Xtendは導入の検討に値する言語処理系です。
沢山の言語やフレームワークがある現在、Javaよりも開発しやすい言語の選択肢は沢山ありますが、にも拘らずJavaを採用しているのには、他の言語を採用できないそれなりの理由があると思います。
Xtendは、Javaのソースを生成する言語処理系であり、Javaを置き換えるものではないため導入の障壁が低く、しかもJavaの多くのものをそのまま利用しているため、学習コストがとても低いというのが、魅力です。
Xtend == Java + α != 新言語
Xtendは独立した新言語というより、Java言語のエクステンションです。Xtendは、Javaプロジェクトの中で、Java言語と一緒に使います。
Xtendは、XtendクラスをJavaクラスのソースに変換します。
Xtendは、Javaのインタフェース、列挙、アノテーションなどは、そのままの形で利用します。
Xtendの考えは、Javaのインタフェースなどの要素は十分簡潔かつパワフルであり、複雑冗長になりがちなクラス実装記述さえ簡潔に置き換えれば、Javaの開発効率は大幅に改善できる、というものです。
このように、XtendはJavaのクラス実装しか置き換えないため、その習得は、新しい言語処理系をまるまる学習するよりも、はるかに容易です。
「Javaクラスの簡潔な書き方を覚える」という、とても軽い気持ちで学ぶことができるんです。
Hello Xtend !
Xtendを始めるのは、とっても簡単です。
Eclipseを用意すれば、以下の要領ですぐに始められます。
- Eclipse MarketplaceからXtendをインストールする
- Javaプロジェクトを作る
- Xtendクラスを新規作成
srcフォルダにXtendクラスを作ります
[File]/[New]/[Xtend Class] -> Name: HelloXtend - Xtendライブラリをビルドパスに追加する
Xtendエディタ上のビルドパスエラーを、Ctrl + 1でQuickFixします - xtend-srcフォルダにJavaソースが生成されていることを確認
- Xtendクラスを編集する
- Javaソースも生成されていることを確認
- HelloXtend.xtendをJavaアプリケーションとして実行
- 実行結果を確認
クロージャの例
Hello Xtendの例だけでは、Xtendの魅力が全く伝わらないですよね。
せっかくなので、Xtendのクロージャの例を見てみましょう。
コレクションのフィルタ処理が、簡潔に記述できることが分かると思います。
生成されるJavaソースの例
この時に生成されているJavaソースは以下のような感じです。
Xtendでのクラス実装がJavaソースにコンパイルされていることがわかります。
Xtendのトリックも、ちゃんとJavaコードになっています。
まだまだあるXtendの機能
Xtendには、クロージャの他にも、便利な機能がいくつもあります。
それらの機能が、クラス実装を簡潔にする手助けをしてくれます。
そしてそれらもまた、使うのはとても簡単なんです。
今度は、それらを紹介しようと思っています。
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